今回、本を書く作業を通して、自分がなぜスパに取り組むことになったのか、改めて考えてみました。
そもそも、幼少期にずっと身体が弱く、仕事を始めてからも、不調は続きました。出張先で倒れることが続いた時期は、本当に自分が嫌になりました。コンサルティングの仕事は面白く、何とか続けたい、でもこのままだと迷惑をかける、と感じて、体調維持の方法を模索し始めました。
この本の後半では、スパの効果や科学的なアプローチの現状について触れていますが、私にとっては、自分自身に効果があるかどうかしか、判断の基準はありません。マッサージも、お風呂も、呼吸法も、間違いなく効果があります。そうでなければ、今ごろ私は仕事を辞め、自宅療養をしながら日々を送っていました。
仕事にしようがしまいが、私にとって不可欠なものでしたし、今もそうです。色々調べることも試すことも、仕事としての義務感ではなく、いつも興味があり、発見があるとワクワクします。きっとそういう事を”ライフワーク”と呼ぶのだと思います。私の健康オタクぶりは、だんだん会社の人や友人の間で知られるようになり、ちょっとした相談を受けるようになりました。このあたりから、コンプレックスだった私の経験が、人の役に立つのかも、と考えるようになりました。
体調が良ければ、大抵のことはできます。楽しい経験も、人の助けになることも。美味しい食事、楽しい旅行はもちろんのこと、日常生活も。何より、体調が良くてゴキゲンなとき、気持ちに余裕があるので、笑顔になり他の人にも優しくなれます。どんなに疲れていても、ちょっと不機嫌な人も、スパでトリートメントを受けた後は、エネルギーに満ちで笑顔になります。そういう瞬間を見ると、ああ、やっぱりこれがライフワークなんだな、と実感します。