京都の弘道館で開催されたお茶会に参加してきました。開催された有斐閣弘道館は、書店で見つけたこの本で知り、行ってみたいと思っていた場所。
いーなー、素敵だなー、思っていたある日、”濱崎さん”のお名前を耳にしました。昨年婦人画報に月をテーマにした茶会の様子が掲載されました。遠藤さんの奥田玄宗美術館での展覧会をきっかけに繋がった企画でした。月をテーマにした展覧会ということだったので、スパザブルーでは、月の満ち欠けと広島のレモンを取り入れた”ムーンフロー”というオリジナルメニューを作りました。
遠藤湖舟さんならではの”昼の月”
そして、美術館を舞台に描かれた月を愛でる茶会がこちら。この茶会を開いたのが、弘道館さん。真ん中に登場しているのが、濱崎さんです。
お茶は、”見立て”のセンスが大切で、それはスパの企画にも通ずるところがたくさんあります。この企画は、本当に素敵でとっても勉強になりました。偶然とはいえ、”平成のちゃかぽん”の本を手にしてほどなく、この記事を目にし、自分では勝手に運命だ!と思っておりました(笑)。
弘道館はこんなところ
お茶会当日は、敷地全体を使って、遠藤さんの作品の世界が展開されていました。緑に青が映えます。
待合のお軸は、NYのハドソン川で撮影されたものだそうです。
遠藤さんは、特別”和”を意識してはいないとのことなのですが、この作品は、まさに琳派!
お茶会は、太田宗達さんがご亭主、遠藤さんが正客で相対する面白い趣向でした。主菓子は、写真に描かれた薔薇をモチーフにしたもの。そして何より素晴らしいと思ったのは、光の演出でした。障子や簾を通したほのかな明るさの中、和蝋燭の光が映えます。まさに五感を刺激する至福のひととき。究極のメンタルデトックスです。お茶席なので、写真は撮っておらず、様子を記録できなかったのは残念ですが、その感覚はしっかり自分の中に残りました。
さて、この弘道館、マンションに建て替えられるところを、直前で回避して保存・活用されているところです。日本の歴史を感じる場所として人気の高い京都ですが、肝心の”日本を感じられる場所”はどんどん失われています。日本に来ても、洋風な建物、海外ブランドだらけになってしまっては、意味がありません。危機感を持って活動なさっている太田さんと濱崎さんのお話を聞いていて、胸が熱くなりました。
海外から取材の方も訪れていて、熱心に写真を撮っておられました。こういう場所、こういう趣向があるからこそ、京都はそして日本は、魅力ある場所だと評価されるのだ、と改めて感じた日でした。
広島から京都に繋がったご縁、これからも大切にしていきたいと思っています。