上野の旧岩崎邸庭園に行ってきました。岩崎彌太郎の長男で、三菱第三代社長の久彌が建てたものだそうです。今は、東京都が管理しています。
元の敷地や建物の三分の一程度になってしまったとのことなのですが、保全された洋館と和館の建築様式を見るだけでも、施主のこだわりを感じることができます。中の撮影は禁止されているので、お庭から見た外観だけ。
入口から木々を抜けてようやくたどり着く、広いテラスのある洋館。この長いアプローチで、“深窓の令嬢”の意味を理解しました・。”深窓”なんて、今では死語ですけど。
それに和館。こちらが家族の住まいだったようです。
そしてビリヤード台が置かれた別棟。撞球室と言うそうです。スイス風。
洋館のディテールは本当に素晴らしく、ヨーロッパで見たゲーテハウスを思い出しました。明治時代に日本政府が英国から招へいした建築家、ジョサイア・コンドルの設計とのことです。
一家は和館で暮らし、洋館は主に迎賓館的に使用されたようで、外国人や賓客を招いていた、と解説されています。
洋館内部を見ていて感じたのは、ここに招かれた外国人は、知的で趣味の良い、自分たちと同じ価値観を持つ人物として主に敬意を抱いただろうな、ということです。明治時代は、貧富の差が激しく、財閥となった三菱への風当たりは強かっただろうと推察しますが、それでも、この屋敷が迎賓の役割を果たすことで、外交には大きく貢献したのだろうと思いました。
先日訪れた白金の庭園美術館も、洋館とお茶室がありました。こちらのディテールも素晴らしく、アートや工芸への造詣の深さを感じさせるものでした。(はあ~と溜息)
次は、ツアー解説付きで見てみたいです。