ロボットやドローンが段々当たり前になり、AI活用や月旅行も普通になるのかも、という勢いで始まった2020年。SF的な未来はすぐそこかも!と思った矢先に、まさかの感染症拡大。スペイン風邪が引き合いに出されますが、社会構造まで変えそうな勢いは、ペストに匹敵すると感じてます。
というわけで、4月は、ペストや感染症の歴史について書かれた本を中心に読んで過ごしました。そこから、もっと以前にさかのぼったり、近代科学の本を読んだりしています。こういう興味も時間も、コロナ騒ぎが無ければ持てなかったと思うと、やっぱり、物事には、すべて良い面と悪い面があると実感しています。
ペストで社会が変わり、為政者も変わったと記した本が多かったので、かなり昔の時代から。
これはかなり面白い!
今は、専門家任せで、細分化されてしまっている医学、薬学、生理学ですが、元をたどれば、ヒポクラテス。ギリシャ時代やローマ時代、それに中東の歴史で登場するスーパースターたちは、理系文系問わず(そもそも別れていなかった)幅広い知識を持ち、為政者のそばにいたり、その人自身が為政者であったりしました。今のように科学の蓄積や他のエリアとの情報共有が無かった時代は、知識や経験を総動員して、”生きる”ことに向き合うことが必要だったのだと思います。そのため、命を守れなかった為政者や権力は、その後まもなく姿を消しています。
近代の感染症対策は、戦争対策。負傷をどう安価に治療するかが重要なポイントになりました。そのきっかけを作った一人がガットフォッセ
アロマテラピーの化学的アプローチの始まりです。この後に続くのが、インドシナ戦争に従軍したジャン・バルネ。抗菌、抗炎症について、戦場で症例を集めたことが、フランスアロマテラピーの医療領域での活用に繋がっています。
コロナで一気に注目を集めているのが、免疫力。重症化リスクの要素として、年齢が主要因子として挙がっていますが、高齢化と免疫の関係や、生活習慣と免疫の関係について、科学的知見に基づいて、とってもわかりやすく書かれている本がこれ。
感染症の専門家会議では、「新しい生活」なるものを提唱しています。ソーシャルディスタンスにやたらと主眼が置かれていますが、このアプロ―チは、まさに細分化の弊害にように感じます。衛生管理や距離はもちろん大切。でも、結局、ウィルスと対峙するのは、免疫細胞である、という視点が欠落しているように思います。
免疫細胞にご機嫌でいてもらうには、どうすれば良いのか?この未知で、繊細で、しかもとっても大切な細胞について、最新の知見が詰まっています。
タイムトラベルをしているような読書タイム、至福のひとときです。