ALL THAT SPAのパンフレットをリニューアルしました。
1作目を作ったのは、瀬戸内リトリート青凪がオープンした2015年。ボディケアのシリーズを一新して、クリーム、スクラブ、ミスト、ソルトを3つの香りで一気に作り、ギフトボックス2種、エコバッグ、それに日英のパンフレットを作成しました。香りと中身の試作は1年前から開始しましたが、パンフレットの文章を書く作業が思った以上に大変で、夢に出てくるほど没頭しました。
その後、フェイシャルの商品をリニューアルしたり、オーガニックネロリが登場したりと、商品の追加に伴って、フェイシャルのパンフレットも日英併記で改訂しました。そして、昨年は、瀬戸内シトラスのバスアメニティも作ることができました。
ようやくこれで、”おうちスパ”のアイテムが一通り揃いましいた。せっかくなので、この”まとめ感”を伝えるべく、パンフレットを1冊にしたい、と思うようになりました。改良したいと思う点や、現場からの要望もいくつかあったので、社内でミーティング。まずはデザインをどうしようか?というテーマからスタートし、社内のシニアスタッフの意見を聞いてみました。キギさんが作ってくれたデザインは、大人気で、”変えてほしくない”とはっきり。なので、デザインはそのままに、テーマ部分を変更しました。左が前作、右が新作。HOLISTIC CARE PRODUCTS_ treasures from Japanese natureをテーマにしました。
次は原稿づくりとレイアウト。前回のパンフレットを作成する際は、プロのライターを依頼した方が良いとの助言を受けて、化粧品で経験がある方に頼んでみました。が、ここで思わぬ問題に直面しました。日本で、化粧品のパンフレットを手掛けてこられた方は、コピーライティングを得意とされる方が多いようで、情緒的な文章になり過ぎてしまったのです。そうすると、スパのゲストが興味を持つ成分の説明がどんどん削られてしまい、私が当初考えていたイメージから遠ざかっていってしまいました。それは、その後の翻訳作業にも影響しました。ネイティブの方に依頼したところ、”何を言いたいのかわからない”と突き返されてしまい、日本語の原文を翻訳用に書き直す作業をせざるを得ない展開になりました。これは大きな反省であり、学びでした。この事もあり、ここ数年、化粧品の講座を受講し、アロマテラピーのコースも受講し、自分で書くことにしました。かつ、日本語を書いた後、英語の翻訳ソフトに入力してみて、意味を成す日本語+英語になるか、チェックしながら作業を進めました。
そして、何より重要な点としては、お客様の変化があります。この数年で、使用している成分や、その由来にこだわる方が益々増えてきていると感じています。材料にも製法にも自信を持っているALL THAT SPAの特徴を、より明確に記載した方が良いと感じるようになりました。スパにお越しになるゲストは、とても丁寧にパンフレットをお読みになります。ご質問も多いです。この数年で開催した、スパのセミナーやワークショップでお目にかかった方たちを思い浮かべながら、書き進めました。
ALL THAT SPAは、もともと”セラピストが考える、あったらいいな”をコンセプトに作り始めました。10年ほど前のことです。その頃は、まだ日本の精油や原材料にどこまでこだわるか、決めかねていました。それは、私自身が、日本の植物や精油について、理解が十分ではなく、また生産者もそれほど多くなかったため、日本産の材料にこだわることが、自己満足になってはいけないと思ったからです。あくまでも、最高のサービスとトリートメントを期待されるホテルスパに相応しい質を提供できるのか?とずっと考えながら、産地に足を運びながら、様々な原材料や製造工場を探し続けました。
そこから5年たって、少しずつ作り手さんとのネットワークが出来、そして更に5年を経て、ようやく、日本の豊かさを伝えたい、伝えるべき、だと思えるようになりました。そこで、冒頭のページを大きく変えました。日本地図に描かれた植物一つ一つが、出会いの賜物です。植物のイラストは、デザイナーの汐田さんが描いてくれたものです。