在宅勤務時間が増えたので、精油に接する時間も増えました。新しいディフューザーを買ったこともあり、色んな精油の香りを楽しんでいます。
ちなみに、新しく購入したディフューザーはコレ。超優秀です。
どのあたりが優秀かと言うと、精油に含まれている成分が、次々に出現してくる感じなんです!精油には、様々な化学成分が含まれている、という事は、アロマテラピーを少しでも学んだ人なら知っていること、なのですが、アロマポットで焚くと、あまりその多層性を感じないんですよね。が、このディフューザーを使うと、”えっこんな香りだったの!?”と嬉しい発見があります。
なかでも、”あー、やっぱり凄い~”と感じるのがラベンダー。100種類以上の成分が含まれている、と言われる意味をようやく体感しました。香りが多層で本当に深い。
ラベンダーと言うと、イギリスやフランスのイメージが強いのですが、実はかなり広範囲で栽培されています。マウイ島にも素敵な農園があります。日本でもあちこちでラベンダー栽培が盛んになってきています。北海道はもちろん、軽井沢でも、淡路島でも。そして富山でも九州でも。
今、手元にあるのはこんな感じ。
まずは淡路島のラベンダー。
ラベンダーとして販売されていますが、よく見ると、intermediaとあり、ラバンジンでした。確かに、淡路島の高度を考えると、こうなるでしょう。質はとても高く、開封したとき、真正ラベンダーだと思ったほどです。
こちらは、軽井沢のラベンダー
こちらのハーブガーデンでは、ミント類の栽培から開始して、その後ラベンダー栽培にチャレンジされました。蒸留した最初の年に、”使ってみてほしい”と持ってこられ、試したことがあります。ラバンジンと真正ラベンダーの”おかむらさき”です。ラバンジンの中でも、Grossoは、カンフアーが程よく入っており、筋肉疲労のマッサージに使うと効果的です。
そして、北海道のファーム富田。
こうやって見ると、本当に圧巻です。ようてい・はなもいわ・濃紫早咲・おかむらさきの4種は、すべて真正ラベンダー(Lavendula angustifolia)です。その4種をブレンドしたのが、”ラベンダーオイル”として販売されているものです。4種それぞれ特徴のある香りですし、ブレンドすることで、”ラベンダーらしい”安定した香りになります。
丁度手元にフランスプロヴァンス産のワイルドラベンダーの精油があったので、ディフューザーで香り比べをしてみました。驚くほど質が高い!私が今回発見した、”香りの多層性”の点では、むしろ4種ブレンドのオイルの方が上かもしれません。ALL THAT SPAのPurifianteでは、この4種ブレンドの真正ラベンダー精油を使用しています。
ファーム富田のラベンダー栽培は、日本におけるラベンダーそのものの歴史です。海外から持ってきた苗が根付かず、北海道で育つ品種の開発から始め、ようやく軌道に乗ったかと思えば、合成香料の台頭で、売り先を失い、富良野地方では、富田家を除いて、皆栽培をやめてしまいます。が、たまたま国鉄のカレンダーに採用されたことで、観光農園として事業が成り立つようになり、そこから様々な製品を作り出すことで、事業基盤を確立して現在に至っています。
北海道にいた頃、洞爺から富良野まで何度か足を運びました。(はっきり言ってとても遠い・・)トリートメントで使用できるほどの精油はまだ販売しておられず、収量も不安定という感じでした。が、そこから収量も、精油の質も向上させ、国際的にも高い評価を受け続けておられます。プロバンスの評議会で表彰されたり、品評会で1位になったり、という実績は、本当に素晴らしいです。
”ようてい”は、洞爺からいつも見ていた羊蹄山から取った名前です。単体のオイルも欲しいなあ、と思っていたら、なんと今年から限定販売!
精油は、100%ピュアであるだけでは、製品に使ったり、トリートメントで使用することは出来ません。安全性評価や成分分析表をきちんと付けて、定期的に検査をし続けて初めて、”雑品”から”精油”になります。原材料が良くても、蒸留の良しあしで精油の質は大きく左右されます。そう考えると、精油はワインに似ています。
送られてきた精油には、成分分析表が添付されていました。多様な品種を栽培していることや、それぞれに栽培を管理して(これが難しい)分析表を維持しているのは、世界的にもここぐらいかも。真正ラベンダーの中でもこれだけ成分構成が異なることに改めてビックリ。かつ、改めてラバンジンは別ものだと感じます。
ようてい 酢酸リナリル40.5%/リナロール37.9%/βカリオフィレン3.0% /3-オクタノン 2.5%/ シス-β-オシメン 2.4%
はなもいわ 酢酸リナリル36.7% / リナロール21.8%/ テルピネン-4-オール9.0%/ β-カリオフイレン4.4% /トランス-β-オシメン2.4%
おかむらさき 酢酸リナリル38.0%/ リナロール31.4%/ β-カリオフィレン4.3%/シス-β-オシメン3.9%/テルピネン-4-オール2.1%
濃紫早咲 リナロール28.7%/ 酢酸リナリル26.9%/酢酸ラバンジュリル5.0%/テルピネン-4-オール2.1%
ラバンジン リナロール43.6%/ 酢酸リナリル13.5%/1-8シネオール8.4% /カンファー7.4%/ボルネオール6.0%
今や、南フランスのものと比べても遜色ないレベルに到達した、日本のラベンダー、もっとその良さを伝えられるトリートメントを考えたいと思います。