2021年末、 今年の漢字が発表されました。今年は「金」!
オリンピックの金メダルとか、諸々補助金を巡る「金」とか、いくつかの意味合いがあるとのことです。
コロナ収束が見えてきて、経済活動が活発になってくると、この「金」が動き出します。日本のホテルを中心に不動産売却の報道が続くように、買い手の動きが活発になってきました。そして、今や主役は、銀行ではなくファンドです。
私が関わっていた2000年代前半は、まだまだマイナーな存在で、ハゲタカと言われることもあり(実際そういうファンドもあります)、関わる人もごく少数でした。が、今や世界的に存在感を増し、投資銀行と肩を並べるようになってきています。実業会社が投資部門を持ち、ファンドを組成している例も多くなってきています。
世の中が必要としたから成長した分野なのでしょうが、私自身は、2回接点を持ったあと、自分にはあまり向かないな、と思って距離を置いています。もちろん、親しい方から頼まれればご相談は受けますし、ご紹介もしますが、仕事として関わることは無いでしょう。
どんな資金も、実業が付加価値を付けない限り、収益を上げることはありません。「金」が栄養となり、それを持つ人が正しく伴走してくれればよいですが、なかなかそう理想的にはいかないものです。ファンドの若いスタッフが、苦労して起業した経営者を追い詰める様子を、何度となく見てきました。20年近く経過しても、あまり状況は変わっていないように思います。ある意味これが本質なのでしょう。
自分で何かを模索し、積み上げていく方は美しく、時を重ねて人生後半は豊かになります。一方で、「金」を中心に価値観を持ち、まるで積み上げている人を道具のように扱う人の縁は細ります。
金メダルのような勝ち負けにも興味が無くなってきた昨今、自分なりのお宝を、探して掘って磨いて、七福神を誘って、笑顔で航海できる宝船を作りたいな、とふと思う年末です。