春になると、生活を変えたいと思う人が増えます。学期が始まったり、事業年度が始まるタイミングでもあるので、転職サイトの広告が大流行です。ただし、ヘッドハンターの友人によると、計画的な方は、12月までには転職活動を終え、数か月かけて手続きをし、気持ちよく新しい職場で、スタートするものなので、春に転職!の広告は、あまりピンと来ないけどね、とのことでした。
20代、30代で転職をした頃、私自身も、道を探すのに悩む日々でした。道も探すし、自分自身もよくわからない、という感じです。今でもよく覚えているのは、最初に会社を辞めたい、と思ったのは、他の人に比べて自分の評価が低いことに納得できなかったことが理由でした。今思うと、本当に幼稚でしたが、当時の私には、とても大事なことでした。感情的に辞めると言った後、先輩の助けを借りて何とか撤回し、仕事を続けさせてもらいましたが、昇給・昇格は数年凍結という措置を受け入れての事でした。そこから、一定の成果をを上げて、次のステップに進みました。
会社も変わり、職種も変われど、うまくいかない時には、決まって ”わかってくれない””私は頑張っているのに”という不満が、頭をもたげてきます。環境を変えても、同じような思考回路になるということは、結局自分の問題なんだな、と思えるようになりました。
最初に辞めようと思ったとき、上司はかなり時間を取り、面談をしてくれました。その際に言われたことは、”人は所詮わかってくれない、わかってくれない前提で話をするしかない””自己評価は、他人からの評価の5割増し”というものでした。会社組織にいて、他人からの評価が気になる方は、この事を理解すると、前向きになれると思います。
私の場合、会社組織にいて、つつがなく50代ぐらいまでお仕事出来ればなあ、と思っていたのですが、思いもかけない事業撤退だの、買収だの、再建だのに関わることになり、運・不運ぐらいしか考えなくなりました(笑)。そして起業することになったのですが、私の運は、地道な仕事の信頼が切り開いたものだということを、しみじみ感じます。何とか切り抜けた数年後になって、”実はあの人が”と聞かされることがあり、今でも結構驚きがあります。
色んな組織に属していて、若かりし頃は、ポジションだの収入だので、若干のマウンティングがあった人達も、50過ぎると、ほとんど独立しています。他人からの評価云々ではなく、自分が何をしたいのか、どういう価値観を大事にしたいのか、の軸を持っている人は、充実しているように見えます。
これから、会社という組織は曖昧な線引きになり、人生はより長くなり、公私のバランスも変わり続けます。
仕事は、収入を得る場でもありますが、長く付き合える人を探す場ででもある、と思っています。人生様々な場に、プロジェクトがあり、今の”仕事”は、本当にそのわずかな部分でしかありません。これから、社会の形も変わり、仕事自体の価値観も変わるのだと思います。
ベースのスキルが出来たら、その先は人間力かな、と感じることの多い今日この頃。頭柔らかく過ごしていきたいです。