新年あけましておめでとうございます。
久しぶりに活気のある年末年始になりました。年末年始の現場からの声を聞いても、コロナ禍前のように、スパを楽しむお客様の声やインバウンドゲストが日本の旅行を楽しまれる様子を感じられ、こちらまで嬉しくなります。
2020年の春から夏にかけては、まったく先が見えず、世の中に不安と混乱しか無かった事を思うと、違う世界に生きているようです。薬を開発してくれた科学者の方たち、危険を顧みず患者を受け入れてくれた医療従事者の方たちに、今こそ心からお礼を言いたいと思います。
コロナ禍を経る中で、ライフスタイルが徐々に変わり、サービスにおいても、必要とされるものとそうでないものの区別がなされるようになってきました。低価格から高価格とか、国内消費からインバウンド消費とか、メディアは色々騒ぎますが、こういう時期こそ、本質的な価値について考えてみたいと思います。
東日本大震災が起きた後、当社のスパには早期に多くのお客様が戻ってこられました。中でも、当時運営していた軽井沢のスパには、お客様から多くのお電話をいただき、感激したのを覚えています。ご予約のお電話だけれなく、”皆大丈夫だったかしら?”という無事を確認する内容でした。半年ほどたって、取引のあったリネン屋さんから、震災後にあのエリアでも多くのサロンが潰れたこと、そんな中、当社のスパへのリネン納品数が変わらないことが、業者さんの間で話題になっていたことなどを聞かされました。多くのお客様が軽井沢にお越しになっていると思っていたのですが、実はそうではなかった。繋がりがあることの有難さを身にしみて感じました。スパのサービスは単なる美容や娯楽ではなく、困難なときに必要とされるものなのだと思いました。
コロナ禍に入り、同じようなことをしばしば感じました。ザワザワと気持ちが揺れ、不安を感じるとき、身を置きたい場所としてスパを思い出してくださる方が多く、まだ人の行き来が活発でない中にあっても、現場から上がってくる日報には、静かで温かい雰囲気が溢れていました。
営業が許されたエリアの店舗においては、ずっとスパの営業を継続しました。セラピスト一人一人、本当によく頑張ったと思います。その頃の日報を読み返してみると、ようやく休みが取れた医療従事者の方々のお話が残っており、今でも涙が出そうになります。”このスパに来ることを夢見て頑張った””ここが無かったら気持ちが折れていたと思う”そういうお話を伺い、セラピスト自身も、この仕事の価値について思うところも多かったように感じます。
スパでは、”心と身体””ホリスティック”という事を意識します。単に、身体に圧をかけて滞留やコリを改善するだけがセラピーではなく、心に働きかけることを重視します。そこから、五感を満足させる、というスパの考え方に繋がります。
人智をもって、今回の感染症を克服し、人の往来が復活する時期も来るでしょう。その時に向けて、コロナ禍での学びを最大限生かしていきたいと思います。