上川陽子外務大臣に対する麻生氏の発言が物議をかもしています。麻生さんご本人は、”俺は褒めてやったんだ、何が悪いんだ!?”と思っておられるでしょうが、ルッキズム批判と受け止められているようです。
上川大臣が登場して、”日本にもこんな人がいたんだ!”とワクワクしています。私にとっては、大谷祥平と同じぐらいのインパクト。冷静に淡々と仕事をこなし、報道に映る服もとってもセンスがいい。知性を感じる服装のチョイスです。服装が素敵という意味では、今回JALの社長になった鳥取三津子さんのセンスも素敵だと思いました。
ロールモデルが無い中での、働く女性の服の選択は結構難しい。私自身は、1987年にBCGに入りましたが、その時に上司から受けた指導は、”あり得ないほど地味なスーツを着てこい”と言うことでした。当時、まだまだ女性はお茶くみ・サポート・職場の花、といった腰かけ勤務が一般的で、本気で働くことをまだ社会は受け入れる状態ではありませんでした。ましてや、経営戦略を担う仕事を”女の子”がやる、事は、とてもハードルが高かったんだと思います。当の私は考えが甘く、”え~、つまんない!”と内心思っておりましたが、上司は真剣に考えてくれたんだと、後になってそのことに深く感謝しました。
”女を出すのは簡単だけど、それは君がキャリアを諦めることだ”、と厳しく言われたこともあります。海外事務所も、まだまだ女性のシニアスタッフが少なかった時代で、たまにみかける方は、本当に地味なスーツでした。時折、華やかなスーツやワンピースを着た女性スタッフを見かけて、”いいなあ”と思うこともありましたが、実力がつけば、どんな格好をしていても受け入れてもらえるよ、と励ましてもらったものです。本当にいい上司でした。
この視点で、今の国会を見ると、疑問に思うことがあります。それは、多くの女性議員が、ホステスルックをしているということです。カラフルなスーツ、ともすると胸を強調するようなワンピース、それって、”女を使う”服にしか見えません。しかも、自民党はこういった服の着用比率がとても高い。(はっきり言って悪趣味です)そんな中、上川大臣の服は、女性のシニアエグゼクティブのお手本のような選択です。とてもカッコよくて美しい!
麻生さんにとって、ホステスルック=美しい、上川ルック=美しくない、という感覚なのであれば、まさに昭和のオヤジセンスそのものです。
多くの場所で女性が活躍する中、服装も多様になりました。以前一部で見かけた、”いかにも女使ってます”的な服装は、東京ではほぼ見かけなくなりました。パンツスタイル、スニーカーも当たり前になり、髪の色もカラフルです。そんな中でも、エグゼクティブの服には一定のルールは存在すると思います。
麻生さんを非難するより、上川さん支持の姿勢を明確に出したいものです。
ファッション業界のアワードに、是非今年は選出して欲しい、それが大きな意思表示になると思うんです。