震災が起きると、被災地支援が動き出します。
物資が動き、避難所が整備され、二次避難の動きが始まります。東日本大震災の時、ホテルや旅館を借り上げて住宅扱いにできないのか?とこのブログでも書きましたが、その後随分整備されてきたと思います。熊本地震やコロナを経て、経験値が上がっており、今回は早いペースで進んでいます。
とはいえ、現場の悩みは仕組みだけで解決されるわけでもありません。支援している方からいつも聞くのは、”自立していない大人”の話です。どんな立場の人でも、災害下では、自分の事は自分でしなければなりません。最初はただ休養を取っていても、掃除、煮炊き、物資搬入など、やるべき仕事はたくさんあります。積極的に動く人もいれば、ただ与えられるものを待っていて、若い女性や子供に指図する大人がいるのには困る、という話を耳にします。
東日本大震災の際、子供たちがお年寄りの世話をしたことが美談のように語られましたが、あれも実際は良い話だけではありません。学校が再開される動きになったり、仮設住宅が整備される際、子供たちに依存する高齢者が多く、離れる際に精神的なトラウマを生んだということも問題になりました。学校再開を急ぎ、子供だけでも避難移住させる方針の裏には、テレビに出ない色んな事情があります。
阪神淡路、中越、東日本、熊本、能登と地震は日本各地で発生しています。北陸は地震が無い、とおっしゃっていた現地の方が多いので、今回の地震は本当にショックだっただろうと思います。日本で生活する限り、いつでもどこでも地震はある、と考えておくことが大切なんだな、とまた改めて思いました。
私が日ごろ感じる小さな自立に、女性の足元があります。東京で電車に乗っていると、女性のほとんどがスニーカーを履いています。東日本大震災以降の変化です。たまにおしゃれなヒールの靴を見かけても、どこかで地震があると、一斉にスニーカーに戻ります。昨日、オフィスに行きましたが、行きも帰りも、ヒール付きの靴を見かけることはありませんでした。女性誌の関係者に聞くと、スポンサーの意向で、ハイヒールの記事を特集すると、読者から”現実的じゃない”とクレームがつくのだそうです。最近では、”ホテルでもOKなスニーカー””銀座のすし屋でもこのスニーカーで”といった特集まで組まれていて、今や一大マーケットなのだと感じました。
あとは、とにかく元気でいることです。東日本大震災の後、エレベーターやエスカレーターが止まり、まさに自分の足で立って歩くことが必須だった時期があります。あれはまた必ずやってくる。普段の行い、大事です。