定額減税が実施されますが、あまり評判が宜しくありません。仕組みがとっても複雑で、実際にどの程度恩恵があるのかわかりにくい。かつ、多くは会社の総務経理に負担がかかるため、経営サイドからすると、手続きする人の人件費や残業代で負担増になっているとの恨み節も聞かれます。
こういった問題は、子育て、介護、休業、傷病など、諸々の手続きにおいても同様です。当社も、今は外部の社労士法人さんにお願いしているので、何とかやりくり出来ていますが、以前社内スタッフで運用していた時には、”できない””辞めたい”の連続で泣きそうでした。。テレビの情報番組を見ていると、”頭を抱える経理担当者の女性”と”悩む中小企業経営者””が登場しておられましたが、日本国中、多くの中小企業はこんな感じなのではないかと思います。
で、ここで大きな疑問。会社って何?社会って何?
国の政策で減税することも、少子化対策することも、国や自治体の政策・施策であり、この業務を委託するために税金を支払っています。10%の消費税に、源泉徴収税に、住民税に、復興特別税に、あれやこれや、ちょっとの隙間があれば、すぐ税金を取られます。それなのに、増大し続ける天引き社会保障費が政策の財源化していて、手続きまで会社の経費でやらされる、これってかなり不当なのではないかと思うんです。
働く人たちは、”天引き多い”と思うでしょうが(私もそうでした)、社保は、同額を会社が負担しています。これだけではなく、違法にならないように制度設計をし、専門の会社に委託し、都度発生する事例についての手続きも行います。複雑になり、事例が増えるほどに負担が増します。これをそのまま給与や研修に回せればどれほどいいか、とため息をつくこともしばしば。
いっそ、社会と会社を切り離してほしい。そのためのマイナンバー制度なんじゃないの?と思うんです。
会社は稼いで前に進む場所であり、社会は弱者も含めすべてを包含する場所です。働く人を支える保障と、あまねく人を支える保障は、もともと性質が異なるはずです。これを混ぜるのは本当におかしい。今回の定額減税も、それにかかる手間賃は、会社から国に請求したいぐらいです。
会社で行う手続きは、あくまでも“就業”に関するものだけで、それ以外のものは、マイナンバーカードを使って個人申請する仕組みにすべきです。失業保険は、一旦会社という組織を離れていますので、手続きは個人で行います。それと同様に、就業を離れる場合はすべて手続きを分けた方が良いのではないか?と真剣に思ってます。
今の日本は、何かと援助が必要な人が多すぎて、生産人口が急激に減少しています。助け合いもワークライフバランスももちろん大切です。ただ、やる気をもって働く人の横で、離脱する姿が見え、それを会社が丸抱えで支援している様子がわかる(しかも原資は自分も払っている)のは、どうなんだろう?とも思ってしまうんです。”子持ち様”問題も、結局目に入るから生じる問題であり、一時的にトラックを分けた方がお互い気持ち良くライフプランを描けるのではないかと感じます。
こういう保障を考える上で、マイナンバーカードを活用したベーシックインカムを導入する時期に来ていると思うのですが、どうなんでしょう?
スマホ使えない、とか情報弱者の切り捨てか、と言われそうですが、コロナ禍の時のワクチン予約や数々の補助金申請の様子を見ると、本当に必要だと思えば人は変わると実感してのことです。