7月から8月にかけては、蓮の季節です。上野の不忍池の蓮は、美しい花で楽しませてくれますし、どの茶会に出ても、蓮のモチーフが登場します。仏花のイメージがありますが、蓮美人はとてもセクシーですし、中国では強壮の薬としても知られているので、艶っぽい一面もあります。
お茶に精通している友人から、”蓮茶を作る会をします”とのご案内をいただいたので、行ってきました。蓮といえば、蓮根は食材として一般的ですが、花、茎、根、葉、蓮の実、蓮の実の芯のどれも食すことが出来、捨てる場所が無いのだそうです。
ご用意いただいた蓮の花、ビックリするほど綺麗!この蓮は、奈良の農家の方が、稲作から転作して栽培しておられ、完全無農薬とのことです。こんな綺麗な蓮があることに、まず驚きました。
ピンク、白、混ざったものと3種類ありました。白い色の方が香りが強いそうです。
蓮茶にもまた種類が色々あり、①蓮花の香りを緑茶に移したもの②蓮の花を乾燥させたもの③乾燥させた蓮の葉④乾燥させた蓮の実の芯⑤蓮の花の雄蕊のどれもお茶になるんだとか。ただ、やはり緑茶が飲みやすいため、①を作ることに。龍井茶、釜炒り緑茶、中国紅茶など、向くタイプのお茶が数種類用意されており、それを小さな袋に詰める作業を行います。そのお茶を雄蕊のあたりにググっと押し込んでいきます。雄蕊が香りのもとなんだそうです。初めてのことで、四苦八苦しましたが、何とか作業終了。。。
そのあとは、お楽しみのランチタイム。先生が作ってくださった蓮料理がずらり!
無農薬栽培の蓮なので、蓮根はもちろん、蓮の花も食せます。スープあり、おこわありで大満足。美しい薬膳料理でした。
そのあとは、一足早く蓮茶を楽しむひととき
蓮の花を開き、雄蕊を出しながら、お湯を注いでいきます。ほのかに蓮の香りが漂う、優雅なお味でした。
漢の時代の薬事書「神農本草経」では、万病の薬として心身ともに軽やかにする、「本草拾遺」には、100年を経た蓮の実を食すと、髪が黒くなり老いない、と記されているそうです。中国薬膳深い!
猛暑続きの夏ですが、美しく、おいしく、楽しい時間を過ごし、元気いっぱいの午後でした。