軽井沢のスパのプロジェクトも前半最大の山を迎えました。そう、セラピストの募集です。
北の端(北海道の洞爺)と南の端(宮崎)でスパの立ち上げを経験した私にとって、セラピスト探しは常に頭痛の種であり続けました。エステティックの学校、整体の学校など、美容・健康に関する学校は明らかに東京一極集中で(他の分野はどうなんでしょう?)地方は、学校はあっても、いい先生がいない、という状況のところも多く、ハイレベルの人材は、東京から確保するしかない、という大変な思いを何度も経験しました。
特に、洞爺のときには、そもそも日本に”スパ”がほとんどなく、かつ、東京からは5時間近くかかる場所である、という二重苦で、しかも、そもそもスパコンサルタントが人材確保してくれるはずが"日本ではムリ”とさらりとあきらめてしまい、またまたこの業界に全く縁もゆかりもない私が走り回ることになったのです。
そしていよいよ危機的状況に陥った私は、遂に、ホテル内の他の部署から人をもってくる、という”おきて破り”に手を出してしまったのですが、これまた苦労の連続でした。私は勝手に”女の子ならスパは好きに違いない””滅多に受けられないトレーニングなんだから頑張ってくれるだろう”などという大いなる勘違いとしていたのでした。(この甘い考えは1分で打ち砕かれましたが)当たり前のことですが、興味の無い人にとっては苦痛でしかなかった、ということなのです。
"元の部署に戻してほしい”と泣き出す子、来てくれたはいいものの、茶髪(ほとんどブロンド)を絶対に黒に戻さない子、廊下をバタバタ走る癖が抜けない子など、もう頭クラクラでした。あ~~~なんで私は女子高の先生みたいなことやってんだろう・・・とトホホな毎日。こんなんで"一流”ホテルのスパなんてオープンできるんだろうか、と暗い気持ちでトレーニング会場を覗くのでした。
ようやく落ち着いたのは、ホテルがピークを迎えた8月になってからのことでした。その後、オフの時期も先生を迎えてトレーニングを続けた結果、何とかまあまあのレベルに達し、時々お褒めの言葉などもいただけるようになりましたが、”やる気と興味”がいかに大切かを痛切に感じた夏でした。
ということもあり、その後の採用は、1に人柄、2にやる気、3に経験、という基準で行うようにしています。面接をしつつ、そのまっすぐな姿勢に、こちらが元気をもらうこともしばしばです。そんな日は、”きっとお客様にもそう思っていただけるに違いない”、と思いつつ、せっせと採用通知をしたためるのでした。