私の自慢は、素敵な女友達に恵まれていることです。もともとプライベートで知り合った、仕事を通じて知り合った、など経緯は様々ですが、時折会ってご飯を食べるのは本当に楽しいし、最近では仕事でご一緒する機会も増えてきました。
そんな彼女たちを見ていて、いくつかの共通点があることに気がつきました。まずは、好奇心が旺盛でいつもネタ豊富であること。旅行にしても食事にしても、いい意味でミーハーです。やろう!行こう!が決まるのが早くて、どんどん世界が広がります。次は、人の紹介を惜しまないこと。これは特に仕事分野の話になった際、”いい人がいるから紹介する”と助け合うこともしばしばです。人の紹介は何と言っても信用が命。かなり偉い方でも、”あの人の紹介なら”と気持ちよく会ってくださいます。こんなとき、”う~ん、やはりわが友はスゴイ!”と改めて実感したりします。最後は、”お金は後からついてくる”という考え方。もしかするとこの点が一番大事かも。惜しみなく勉強し、小さな仕事でも全力で取り組む。その姿は気持ちいいほどです。
私の大好きな友人で、ある外資系化粧品会社の社長になっている人がいます。この会社、今は世界的にも(特に日本で)大成功事例として取り上げられることも増えました。でも10年ほど前、日本法人は撤退寸前の悲惨な状況でした。その状況に社長として招へいされた彼女。友人として私も大喜びだったのですが、ランチでの彼女はちょっと浮かない顔。覚悟してはいたものの、苦難の連続。処遇についてふと聞くと、とても再建会社の社長の給与とは言えず、ヨーロッパへの出張も格安エコノミーで出張が続くと疲労が抜けない・・と言うのです。
話を聞いていると、だんだん腹が立ってきて、”ねえ、価値を感じていたらもっと処遇ぐらいは何とかするんじゃないの?馬鹿にしてるよ、辞めなよ!”と叫んでしまいました。でも、本人は、ここで逃げたくない、結果を出してから交渉してみるよ、と言うのです。疲れた顔の彼女を見ると、何だか心配で泣けてきました。おまけに、会議で自分だけがフランス語が話せない。皆気を遣って英語で話してくれるのが申し訳ないので、フランス語の学校に通う、と言うので、何と人のいいことか、と半ば呆れてしまいました。その後、彼女の頑張りの甲斐あって、会社は急成長。友人として私も鼻が高いです。
こういう状況で、人の価値観は出るんだな、と痛感した出来事でした。人によっては”条件が悪い、やってられない”と周囲のせいにする人もいるでしょう。現に私の別の友人は、結果が出せず降格になったことを不満に思い、なんと会社を訴えたことがあります。1回目の会社がなぜか高額の退職金を支払ったこともあり、大変な訴訟好きになってしまいました。そんな姿を見ていて、何となく会うのがおっくうになってしまい、今ではすっかり疎遠になっています。この例に限らず、”お金お金”と言い続け、幸せに仕事を続けている例を、私は知りません。
仕事をしていれば、いつもうまくいくとは限りません。自分への評価が低いんじゃない?とかもっと払ってくれてもいいはずだ、と思うこともあるでしょう。それは私だって例外ではありません。ちょっとモーティベーションが下がりそうなとき、あの時の彼女の姿を思い出すのです。辞めろ辞めろと怒る私に”だって、私この仕事好きなんだもん。今は苦しいけど、チャンスだと思うの。”なかなか言えることじゃないよなあ、と思いつつ、次に会う折に、”かじかわ、相変わらず面白いね~”と言ってほしくて今日もせっせとお仕事する私です。