さて、美味しい”ふたみうどん研究所”のある都城ですが、地方都市の衰退トレンドと無縁ではなく、同窓会の話題も、”町が衰退してる。どうしたら活性化できるか”がメインテーマでした。役所勤務の友人や教職に就いた人たちにとっては、日々考えてしまうことのようで、加えて、お子さんが就活中の人にとては、町が活力を失っている、という事実は、より深刻な問題のようでした。
私のふるさと都城は、田舎町ではありますけど、島津家発祥の地として、島津印に溢れた場所で、畜産も盛んですし、企業誘致にも積極的。子供のころは、デパートも3つありました。それが一つ潰れ、一つは業態転換し、最後の一つが昨年店を閉めました。この最後の閉店は、けっこうショックだったようです。
という話題を受け、翌朝散歩してみました。私が宿泊していたホテルは、都城駅のそば。
まずは、神社にお参りし、その後、母校周辺を回って戻る、40分ほどのコース。
地方都市の典型的な風景。とにかく歩いている人が居ない。そして、立派な施設は公的施設。
ホテルで朝食を取った後、散歩してからコーヒーでも、と思ってぶらぶら歩いてはみたものの、無い・・無い・・。お店が。開いていないんじゃなくて、店そのものが無い・・。ちなみに、この立派な施設の周辺にも喫茶店らしきものは無し。色んなイベントの企画があるようですけど、車で来て車でぱっと帰るのでしょう。
駅前も、こんな感じ。
銀座7丁目付近も、一歩入ればこんな感じですけど。このお店は表通りに位置してます。
私はもちろん、故郷を愛しているけれど、旅人の目で見たら、こんな寂しい町は無いよね、という風景に映ってしまいました。いつも車を出してもらって、点から点に移動しているので、気がつきませんでした。それにしても・・・寂しいなあ。
都城もこんな感じですけど、宮崎市も大差無く映ったようです。日本コカ・コーラに勤務していた頃、あるブランドマネジャーが、宮崎でサンプリングを実施した際、”どこにも人が居ないんだけど、場所が間違ってるのかなあ”と電話をかけてきたことがあります。場所は合ってる・・。人が居ないなんて大げさな!プンプン!と思ったのですが、賑わいが無かった、ということなんでしょう。
これが、旅人の目線なんだなあ、とその頃のことを思い出しました。
歩く人がいなくて、人の息吹が感じられなくなった町は、まるで廃墟のようで、本当に退屈な場所にしか映りません。自分の故郷がそういう町になってしまったのだ、という残酷な現実に、ようやく気付いた帰省となりました。
地元の人でも旅人でも、歩いて買い物や食事が出来たり、雰囲気のいい並木道や公園でくつろげる場所は、ただそれだけで魅力的な場所なのです。そしてそれが多く存在するのは、東京であるということも、日本の皮肉な現実です。