先日、美容専門学校の”就職発進式”に呼んでいただき、就職を控えた生徒さんとそのご両親に、セラピストのお仕事について、お話をさせていただきました。
エステとスパはどう違うのか?ホテルスパと街中のスパは何が違うのか?学生でいる間、どういった勉強をすれば良いのか?など、熱心にご質問を寄せてくださいました。キラキラした目をした、熱心な生徒さんに話をするのはとても楽しく、ご質問を受けつつ、改めて考える良い機会となりました。
ホテルスパの説明として、お話したのは、”お茶を飲む”という行為の幅の広さです。ペットボトルのお茶もお茶。急須から丁寧に入れた煎茶もお茶。そしてきちんと設えられた茶室でいただく抹茶もお茶。のどの渇きを癒すことは同じでも、心理的な満足度には大きな違いがあります。
ホテルスパも同じです。世の中には多くのマッサージがあり、ほぐし度から言えば、十分上手なところもあると思います。でも、茶室の設えと同じく、上質なものでただ一人のために設えられた空間で、香りや音、温度など五感を満たす準備がなされた場所で受けるマッサージは、精神的な満足度が違います。近年の研究では、脳の刺激によって他の体の機能への働きかけが変わる、ということがわかってきていますので、”リラックスする”という点において、肉体だけでなく、心に響く要素の大切さは科学的にも立証されいるわけです。
この究極の癒しのために、努力を重ね、ゲストを大切にお迎えするのが、ホテルスパのセラピストです。
この年末年始も、毎日日報を読んで一日を終えましたが、日々成長する様子には驚かされます。本当にゲストを良く見ていると感心しますが、実はこの”人を理解する”という要素が、最大の適性になると思います。理解しよう、期待に応えよう、と思うことが誠実さや真摯な態度につながり、それは必ずゲストに伝わります。この人と人との信頼関係が、若いセラピストを成長させます。
私が、ホテルスパの運営という難度の高い仕事に踏み出そうと決意したのは、この成長を見ることの喜びを体験したからです。
つい数日前の日報に、印象的な一文がありました。
”どのお客様も、素敵な笑顔で ’ありがとう、また次回もよろしくお願いしますね’と言ってスパを後にされます。こちらこそ、どれほど’ありがとうございます’を言っても言い切れないほどの気持ちです。こうやって、お客様に、’ありがとう’と言っていただけることに、この上ない幸せを感じます。”
とてもとても寒い日でしたが、ほっこり暖かい気持ちになりました。
私から見ても、セラピストたちは、本当に熱心に取り組んでいます。厳しい指導をしつつも、”大変だろうな、、”と心の中では感じます。
厳しい仕事だと思いますが、ゲストからの”有難う”に加え、時折、素敵なご褒美もあります。この間はサンタさんがお見えになりました。いつも来てくださっている大阪のお客様なのですが、お仕事が忙しくて年末年始来れないから、とホテルのケーキショップを買い占めるほどの勢いで、差し入れをしてくださったのです!もちろん全員大喜び!
手前味噌かもしれませんが、うちのスタッフはしばらく勤務していると、どんどん素敵な女性になっていきます。凛とした横顔を見て、”美人さんになったなあ~”と嬉しくなってしまいます。心の中で、わ~い、とスキップしてる感じ。
ご両親たちに、ホテルスパのセラピストになることの意味を尋ねられ、”女性として素敵な方になりますよ”と自信をもってお答えしました。その言葉に恥じぬよう、またトレーニングプログラムをパワーアップしなければなりません。今春も頑張ります!