日本の”お・も・て・な・し”の代表格のように言われている、茶道、知れば知るほど奥深いです。日本の特徴に、”あいまいさ”や”あ・うんの呼吸”があると言われますが、茶道を知るにつれ、本当にそうか?と疑問を感じます。
例えば、全て詳細に決められた、まさに”ガイドライン”
初心者が知るべきことの本の一部。お稽古してみて、何度も読み返して練習していることがコレ
歩くって難しい・・、もっと言えば、立つって難しい・・・。
ここまで細かく書かれていると、”窮屈だ、そんなのどうでもいい!”と思われるかもしれません。私も最初はそうでした。でも、実際に茶室に入り、上級者や先生の点前を見ると、とっても自然でなめらか。そんな中でいただくお薄は本当に美味しい。で、実際に私がやってみると、ギクシャクぎくしゃくの連続で、やっと終わって障子を閉めると、一同”はあ~(笑)”それだけ違うのです。
当然、全てのお点前に、道具の準備から実際にお茶を点てる手順まで細かく書かれていて、それぞれの点前は、相手により、茶会のテーマにより、使うお道具から座る場所、置く場所、会話まで全て異なります。現代経営学風に言えば、ターゲティング、ポジショニング、ケイパビリティ、プレゼンテーション、ブランディングといったところでしょうか。
もともと、茶道は文字で記録することを禁じられていたので、これらの記述は、時代が流れて幅広い人に学んでもらうために書かれたもの。お稽古の日の予習・復習、加えて自主練用に活用しています。」薄茶点前の本は、だんだん表紙がくたびれてきました・・。
興味深いのは、茶道の場合、客側にもルールが求められている点。お客様は神様ではないのです。
これが日本の伝統であり文化なのだと思います。提供する側にもされる側にも、互いに敬意があるということ。だからこそ、もてなす側は自分を磨き、正客に対し記憶に残る時間を作ろうと、努力をする。まさに一期一会。
今、スパのオペレーションフローの改良に取り掛かっているのですが、空間の演出、物の置き位置、温度、音、その全てを考え直すとき、茶道の理論的な物の考え方と、美意識の高さを改めて実感します。
日本にもあった、ブランディングとガイドライン。本当に奥深いです。