リゾート再建のプロジェクトは、バブル期の構築物をどう活用するか?といったテーマに向きあうことです。私が参画したプロジェクトは、北海道のウィンザーホテル洞爺、宮崎のシーガイア、それにプライベートな所有ではありましたが、愛媛のエリエールスクエア(今の瀬戸内リトリート青凪)の3つです。
北海道と宮崎は、経営再建が必要だったため、地元での評判が芳しくない時期もありましたが、それでも、こられの建物は”財産”だと思います。日本が国として高齢化していく中、こんな無茶な(?)プロジェクトはもうできないのではないでしょうか。実際に、中に入って見てみると、とにかくバックヤードが立派で、素材も本当に良いものを使っています。改築するとき、同じレベルの木材や大理石を使う場合の見積もりを見て、飛び上がりそうになりました。手には入れば良い方で、もう輸入は無理、と言われた素材もありました。
今、ホテル建設ラッシュで、外資系の有名ホテルなどが、続々とオープンしています。素敵なデザインで、効率的にできていますが、遊びの部分はあまりありません。賢い投資と言えばそうなのですが、バブル期の建物を見ると、少し寂しい気持ちもします。あんな無茶ぶりは、もう日本自体できないのかもしれません。
愛媛のエリエールスクエアは、ゲストハウスとして建てられたものですが、余裕のある空間と絶景を堪能できるプライベート感は、贅沢の極みです。これも、今なら生まれようが無い建物でしょう。
この3つの建物、現在のオーナーや運営会社の手で、追加のメンテナンスや改修が施され、快適な滞在ができます。ゲストとして使うには、これ以上お得なことはありません。ぜひ訪れてみてください。