昨日午後、知人の茶会に出かけました。
”日本の茶道は、要素が多すぎて本質を見失っている””と感じたそうで、ただ一種の中国茶を飲む集い。暗がりから一転して白い空間に入ると、清らかな佇まいの茶人が座っています。雲南省とミャンマーの間に自生する茶の老木から採取したというプ―アール茶は、長い熟成を経て、柔らかくまろやかな味わい。
茶葉そのものの香りを楽しんだあと、茶壺(ちゃこ、と呼ぶそうです)に湯を注ぎ茶葉の目覚めから、開く瞬間、閉じる瞬間のそれぞれを香りとともに味わっていきます。一種の茶葉を楽しむ、ただそれだけの時間です。菓子もなく、ただお茶だけ。でもそれが本当に素晴らしかった!茶人と客が向かい合う、暖かな気に満ちることがこんなにエネルギーを呼び覚ますとは。
午前中は、バタバタしたやりとりや家事が多く、今一つ気持ちが落ち着かない時間でしたが、それがこの茶の時間で一転。
自分の中に、エネルギーが満ちて、考えが集中していく様子を実感できました。
お茶を楽しむ前に、白湯に芳香蒸留水を加えたもので、リセットする時間もありました。台湾のクスノキ科という事なので、日本では、芳樟に近い品種かもしれません。これもまた新鮮。
さて、その後、ふと思い立ち、近くにあるエステサロンに行ってみました。化粧品系のサロンで、商品そのものは良いとわかっていても、なかなか足が向かなかったサロンです。徒歩2分、これを逃したら行く機会はないかも、と思って電話してみました。
案内は丁寧、接客も丁寧、商品も良いし、施術も悪くありません。タクシーで帰宅すると口にしたら、半袖のままのスタッフが一緒に道路に出て車を呼び止めてくれました。そのぐらい、サービスレベルは高い良いお店でした。
でも、何だかとても疲れてしまいました。さっきの茶事で開いた五感や高まった気が弱っていく感じ。ピカピカの内装に明るすぎる照明、それに合成香料の香りの連続、深呼吸してください、と言われても、体が自然に拒否している感じです。香りの要素で自分の体がここまで違う反応をすることに、改めてビックリ!
そして、どこもここも物が多い。たくさんの物に記入し、たくさんのものを見て、そのまま帰ろうと思うと、メンバーズカードやら文字が細かいパンフレットやら、色々持たされました。これをサービスだと思う方もおられるのかもしれませんが、文字情報は神経を疲れさせます。ようやく緩んだ体が、また固くなってしまいました。静かに帰らせて欲しかった・・。
対象的な2つの時間。
とても良い学びの日でした。