骨折はかなり回復してきたものの、まだ完治という状態ではない日々。歩いて動かす、でも、痛かったら無理せず、となかなか加減が難しい感じです。
気温も上がってきて、お出かけしたいところですが、まだまだぐっと我慢です。
と、そんな私の今の楽しみは、「小津安二郎の映画」です。昭和の日本の美しさが凝縮している、と言われる小津作品、いつかは観たいと思っていたものの、なかなか機会がなく、残念に思っていました。ふと思いたち、amazon primeで「小津安二郎」と検索してみたら出てきました!!
無料有料ありますが、デジタルマスターでカラー編集されているものもあり、鮮やかカラーで当時のディテールを楽しめます。原節子、有馬稲子といった大女優が次々に登場するのも嬉しいところ。
小津作品といえば、「東京物語」。原節子さん、圧巻の美しさ!
カラーで見ると楽しい、「彼岸花」「秋刀魚の味」
今でも十分お洒落なこの組み合わせ。
嫁ぐ日の前夜、ささやかなホームパーティ。テーブルクロスとポットの赤が可愛い!
若き日の岩下志麻さん。
何が楽しいって、これらの着物、すべて浦野理一なんですね。個性的な柄の小紋に、無地の帯という取り合わせが、「ザ・理一」という感じでとっても素敵です。
ストーリーは、かなり似通っていて、東京の山の手のお宅のお嬢さんの結婚をめぐる物語です。昭和中期で、結婚=お見合いで、縁談が持ち込まれるものの、お嬢さんはすぐにうんとは言わず、親御さんがやきもきします。かつ、片親の環境に育った良き娘が、父親または母親のことを心配して、なかなか嫁ぐ決心がつかないけれど、周囲の後押しで幸せに嫁ぐ、というパターンです。
実は、同じ俳優さんも、何度も登場します。シリーズではないので、ちょっと混乱しますが(笑)。
戦後の映画を見ると、銀座の景色は、今の原型が出来ていて、和光も6丁目あたりの飲み屋街の様子も見ることが出来ます。昭和レトロが、何とも言えずいい感じ。
着物の話に戻ると、日常着が出てくるだけあって、どれもほとんどコートや羽織を着てません。羽織るものを着ないのはルール違反とか行儀が悪いとか言われてしまうので、私も外出の際にはほとんど着用します。(浴衣系はもちろん別ですよ)でも、この映画を見ていると、紬系なら、このままお出かけありだな、と妙に納得してしまいました。
理一の着物は、ちょっと厚めなのですが、この丈夫感も、この映画の雰囲気に合ってるなあ、と思いつつ観ています。