伊勢神宮で行われた神嘗祭に行ってきました。
農耕民族である日本において、稲作は特別な意味を持っています。実りに感謝する行事は、全国各地で行われますが、神事になっているのが、神嘗祭と新嘗祭です。神嘗祭は、初めて収穫されたお米を神様(天照大神)にお供えする神事で、10月17日の夜を徹して行われます。この祭祀を執り行われるのが、清子様です。
通常こんな神事を目にすることはできないのですが、ご縁がつながり、参加できる幸運に恵まれました。体調を整え全力参加です。毎日天気予報とにらめっこしながら、晴天続きを確認し、着物で参加しました。
集合時間に遅れてはいけないと、早めに現地に行ってみると、すでに川のあたりには賑わいが。初穂引きが始まっていました。
内宮正面で集合したあと、この初穂が奉納される様子を拝見します。
引いておられる方にお話を伺うと、この方、20年ぶりの初穂引きなのだそうです。町がいくつもあるので、この栄誉が巡ってくるのはそのぐたいのインターバルになるのだそうです。とても誇らしそうにしておられました。このあたりの継承がすごい!
今年外部で参加が許されたのは300名ほど。昼間は特別参拝を行い、神楽を拝見し、昼の部は終わります。夜は深夜まで行われるため、幹事の方が、夕食を手配してくださいました。おはらい横丁・おかげ横丁とも、5時にはほとんどの店が閉まってしまうため、(スタバも5時まで!)この日のために開けてくださったのだそうです。
五十鈴川沿いにある”とうふ屋”さん。
さて、この後は写真撮影厳禁なので、画像が無いのですが、すべてがタイムトリップしたような出来事でした。白い装束を身につけた神官たちが、ざっざっという音とともにやってきます。清子様もその中におられます。ビックリしたのはその速さ!しずしずと進むを思いきや、ほぼ軽いランニングぐらいのスピード。やってきては、松明の灯を掲げつつ何かと行い(あまり見えない)いくつかの建物を経由して、本宮に向かいます。祭祀はずっと火とともにあります。
伊勢神宮の中は砂利道で、階段も多く、そこを上がったり下ったりする(しかも灯りはほとんどない)ところを草履でついていくのは結構大変でした。ここで足を痛めてはいけないとの思いもあり、集団から少し距離を置きつつ、ゆっくりついていくようにしました。と同時、この祭祀をずっと続けられる清子様、これは大変なお勤めなのだと実感しました。この日は気候良く快晴の一日でしたが、そうでない日の方が多いと思うのです。雨の日、雪の日、寒い日、暑い日、この祭祀は半端な気持ちではできません。
さて、参加者は、日付が変わる頃に、内宮宇治橋のあたりに戻ってきます。
夜中のことなので、はぐれないように点呼確認をして解散。まさに星降るような夜で、それもまた非日常を実感させてくれました。
今、中東では大変な状態になっていて、ホテルでもずっとBBCを流して聞いていました。宗教は価値観の違いが、ここまで人を争わせる現実を見ると、宗教野ありようを考えてしまいます。
一方で、日本においては、こうやって実りに感謝して神事まで高めている。長きにわたり伊勢神宮が維持され、そこでこうやって神嘗祭や新嘗祭が続いていることに、深い感銘を受けました。本当に特別な時間で経験となり、この日のことは一生忘れないと思います。