今や誰もが知るグローバルカンパニー、ユニクロ。会社の成長と同時代を過ごしてきたので、かつて関わった人も、現在進行形で関わっている人も知り合いに多く、リアリティを持って読みました。著者の杉本さんは、とても優秀な日経の記者で、私も以前取材していただいたことがあります。内容も厚みも流石の内容でした。
多くの「ユニクロ本」が出ている中、何故このタイミングなのか?を考えてみました。
この本に書かれていることは、”足し算と引き算”進んでは後退し、また進む、という歩みの記録です。ひたすらに愚直です。ベンチャーとか意識高い系にあるような高揚感のようなものはありません。そして、著者は、柳井さんの”普通に怠け者な若者時代”もそのまま描いています。スティーブジョブズ的若者ではなかったらしい。
掛け算を求める風潮が強い中、敢えて”足し算”に価値を置いている点が、本当に興味深い。すぐに答えを求めたり、うまくいかないと”才能が無い、向かない”と口にする人が多い中、やり続けることの大切さを感じさせてくれる本だと思いました。
ユニクロの商品を好きな人もそうでもない人も、何かしら発見がある本です。