7月に入り、まるで熱帯のような天気が続いています。温暖化の影響で日本も亜熱帯になってしまうのでしょうか・・?
さて、そんな夏本番の7月。今週末の土曜日、7月19日で、軽井沢のSPA the Forest Princeは1周年を迎えます。軽井沢プリンスホテルにスパを作る、というプロジェクトにおいて、いくつか達成目標がありましたが、そのうちの重要な項目が”リゾートにリピーターを作る”ということでした。
リゾートにおけるスパへの認識は、残念ながらまだまだ低いものがあります。”ありさえすれば客は来る””どうせ1回しか来ないんだから内容は適当でいい””高い価格設定にしても、他に選択肢が無いんだから受けるだろう”といった考えが蔓延し、日本でも有数の歴史を持つこの大リゾート地に、満足のいくサービスを提供するスパはありませんでした。年間営業しているスパそのものがほとんど無かったのです。
この認識はスパ好きホテル好きの私にとって、大きなショックであり、悲しくすらありました。ゲストにとっても、トリートメントを担当するセラピストにとっても、決して良い状況ではなく、運営側がゲストを軽視するようでは、決して事業が健全に続くとも思えません。実際に、都内で実施した調査では、多くのターゲット顧客から”リゾートホテルのスパは高くて下手なのでもう行きたくない”とのコメントが続々と寄せられているのが現実です。
昨年、このスパのプロジェクトを開始したとき、ホテル関係者ですら、”リピーター”を信じる人は少数派でした。しかしながら、私自身、洞爺での経験から、いかにスパがゲストを惹き付ける力を持っているか、そしてそのためにどんな努力をしなければいけないかと身をもって体験したこともあり、”ゲストが戻ってくるスパにする”ことには、大きなこだわりを持っていました。
オープンして1年を迎える中、スパでは多くのゲストをリピーターとしてお迎えしています。セラピストを指名される方、いつも同じお部屋を好まれる方、新しいメニューを試される方、など本当に様々です。スパで初めて、軽井沢の緑の美しさを実感できた、と話される方、冬の景色もまたいいわ、とおっしゃる方など、まさに、五感でスパを楽しんでくださっていると嬉しく思っています。
私たちのスパでは、厳選したトリートメントを導入し、日々セラピストはトレーニングや研修を続けています。ゲストが少ない季節はレベルアップの絶好の機会でもあり、空いた時間はせっせと練習に励んでいました。この方針を続けているのは、戻ってこられるゲストに、少しでも良いサービスを提供したいと考えているからです。これは、季節営業ではどうしてもできないことで、年間を通じた運営があればこそ、毎年・毎季節、新しいサービス、向上した技術でゲストをお迎えすることができるのです。
そして、今年は、ちょっぴり家具を工夫して、ラウンジでもっとくつろいでいただけるようになりました。これも色んなお声をいただく中、”こうしてみたら”と改良したものです。
軽井沢は、今週末から本格的な夏のシーズンが始まります。昨年の夏から1年ぶり、という方からも多くご予約をいただいています。”戻ってきたくなる場所でありたい”の目標がいよいよ現実のものとなった2年目の夏。多くのゲストを”お帰りなさい”とお迎えしたいものです。