就職内定率の報道があったり、お仕事に関するインタビューがあったりすると、ふと”で、私は何で働いているんだっけ?”と考えてしまうことがあります。
今に至った経緯も、過去の転職履歴も、”とてもよく考えて”とおっしゃる方がおられるのですが、それはまるで違います。ある意味、”成りゆき”です。
転職相談に来られる際、”自分らしく”とか”社会貢献”とか”やりたいことを”と口にされると、それはとても恵まれた方なんだな、と感じます。私の場合、かなりの年数、そんなことは考えたことはありませんでした。自分が自立する上で、お金が必要なことは事実で、”どうやって家賃を払うか、どうやって食べていくか”がまず先でした。
仕事を辞めたいと思ったことなんて、数えきれないほどありますが、最後踏みとどまったのは、実家には帰れないと思ったこととか、購入したマンションのローンを払わなきゃ、と思ったことなど、まずは生活のベースを作るまで、たとえ嫌な上司でもクライアントでも、まずは我慢だと思ったからでした。(高校時代のように、正義で上司を殴る!なんてことはさすがの私にもできませんでした。口ではかなり言ったと思うけど)
なんかちょっと楽しいな、とか、こういう人たちと仕事できて嬉しいな、とふと感じるようになったのなんて、本当にここ数年のことです。”一緒にやらない?”とか”お願いできないか?”などと頼まれるのは無上の幸せです。なので、お声がかかったら、とにかく一生懸命にやります。納得いくまで。
若いときなんて、仕事の場はそれはそれは辛いものでした。仕事ができなきゃ、名前も憶えてもらえない。スタッフリストからは平気で外される。その都度落ち込んだこともありますが、ずっと考えていたのは、”選ばれるようになりたい”ということでした。
生活の自立のためとちょっと認めてもらいたいから、私は仕事を続けてきたのだと思います。
人生万事塞翁が馬、と言いますが、私は自分が東京出身者で、自宅通勤だったら、仕事を続けることは無かっただろうと思います。いま、色んな方々との出会いがあって、私なりには幸せなので、多少の不自由も苦労も、若いときはするもんだ、と本当に思います。