本日の日経MJ
資生堂のツバキが、なぜ失速したか?という記事なのですが、今一つピントがずれてる。この記事によると、高級品や、理想を求める流れが弱くなり、「私らしく」という等身大の低付加価値の流れが、理想を求める資生堂と合わなくなった、という趣旨でした。まったく同意できない。資生堂は、日用品事業をCVCに売却し、その資金を高級化粧品に振り向けるそうなのですが、どうなんでしょう?
スパに近い領域でいえば、資生堂はかつてデクレオールとカリタを所有していました。まさに高付加価値カテゴリー。ウィンザーホテル洞爺にスパを作ったとき、日本で最初にデクレオールを導入しました。使いやすく良い商品だったと思いますが、資生堂傘下に入ってから、供給も教育も滞り、結局扱いを止めることになりました。カリタについては、資生堂傘下に入ったとき、これで研究開発が継続されて新製品が出る!と心待ちにしていましたが、結局アップデートはなく、旧式な商品が供給されることに。でも、資生堂だから供給が安定する、と期待して導入した5つ星ホテルスパがあったのですが、急遽の売却と供給停止の通知を受け、大混乱。スパブランドは、日本での取り扱い元が変わることは良くあり、それなりに不連続になりがちですが、ここまでの大混乱は例がありませんでした。
当初は、ブランド買収が苦手なんだろう、と思っていたのですが、このところの売却売却を見ていて、考えが変わりました。
原因が外にあると思っているのではないか?この記事を読んでいて、かなりの確信を持ちました。ツバキ失速の要因が、世の中の変化にある、という理解はあり得ない。あの商品の問題は、一度使えば大抵の人にはわかるはずです。
資生堂でもこうなっちゃう・・。原因を外に求めてしまうと、改善するんじゃなくて、どんどん売るしかなくなります。タマネギみたい。すでに数年前から、”コア事業じゃない”と、様々なブランドを売却しているのですが、そのうち売るものがなくなるんじゃないか。
売るものが無い会社は、真剣に考えねば。
コロナ禍の1年が経過し、社内外見ていると、内包していた力の差が顕在化してきたことを感じます。同じ業種でも業績差が出ていますし、社内を見ていても感じます。
世の中がこうだからできません・・と考えるスタッフと、世の中がこうだから頑張ります!と考えるスタッフで、1年経つと本当に差が歴然。どんな時でも、伸びる会社はのびる、人も同じ。
出口は自分で見つけるものだ、と改めて考えさせられます。